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【ある過去の行方】~シリアスドラマ~


★★★★☆(4、5)


01

diamond製作年度 : 2013
diamond製作国 : フランス/イタリア
diamond監督 : アスガー・ファルハディ
diamondキャスト : ベレニス・ベジョ、タハール・ラヒム
diamond解説
『別離』が第84回アカデミー賞外国語映画賞を受賞した
イラン出身の鬼才、アスガー・ファルハディが放つ人間ドラマ。
お互いの子どもを連れて再婚しようと考える男女が、
女性の娘のある告白を機にそれぞれが抱えていた
思いも寄らなかった秘密を知ることになる。
全編にあふれる不穏なムードとサスペンスフルな語り口や、
それによって浮かび上がる人間の深層心理の闇に圧倒される。
(シネマトゥデイより)


diamondレビューはこちら。

:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*+

diamond着地地点が全く見えない複雑な人間ドラマ。
 (ネタバレあり)



『彼女が消えた浜辺』『別離』などで知られるイランの鬼才、
私も大好きアスガー・ファルハディ監督の新作ということで
観に行ってきました。

公開から結構経ってしまい若干テンションが下がり始めて
しまったのですがなんといっても前売りを買っていたので、ね。
やっぱり映画は公開後すぐ行かないとダメだなぁ私・・・
なんて思っていたのですが

・・・やっぱり面白かった~!!
劇場行って良かったです(-ω-)
しかしハズレがないですね~この監督。

過去には1人の女性の失踪、1人の女性の流産など
身近なところにスポットを当てている監督ですが、
本作でも離婚を機に新たな真実が浮き彫りになる夫婦の物語。


離婚を迎えようとしているアーマドとマリー。
離婚手続きのため4年ぶりにアーマドがマリーの元を訪れると
妻にはすでにサミールという恋人がおり、彼の連れ子も一緒に暮らしていた。

02
(新・彼氏はなんだか若そうな感じ・・・)


しかし母親の新しい恋人のことを良く思っていない長女リュシー。
そんな彼女から心の内を聞こうとするアーマドだったが
思いもよらない衝撃的な告白をされるのだった-。

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(この娘と母親がミョーに似てた!)


今や離婚など珍しいことではないですし、このテの話もよくあります。
それでもこれだけの傑作になり得たのは監督の手腕に尽きますね。

もしこのシナリオを別の監督が撮ったら、そのへんにありそうな
作品になってしまう可能性も十分にあります。

いわゆる誰かが殺されたりというサスペンスではないのに
とんでもない緊迫感。
ドラマでここまでの緊張感が得られるってこの監督くらい
じゃないでしょうか。


監督の作品全てに言えることですがほんの些細な描写にも
惹きつけられ目が離せないんです。

2時間強くらいの作品って途中でダレたり集中力が
なくなることもあったりするのですが(私は・・・汗)
ここまで『1つの台詞も聞き逃したくない!』なスタンスで
映画を観たことってあまりないかもしれないです。

感動でもなく、悲しいわけでもない、役者の演技や台詞で
胸がいっぱいになり中盤からラストまではなぜかずっと
涙を浮かべながらの鑑賞。

最近歳をとったせいか?自分でもよく分からない感情で
涙することが多くなりました。
そしてそれは良い作品に当たったときに起きる現象だったりします(笑)。


先ほどサラっとあらすじを言いましたが
もちろんここから様々な真実が次々と噴き出してきます。
明らかになるというよりは“噴き出す”のほうが表現として
正しいような気もします(笑)。

04_2


・・・おいおい、そうきたか!・・・って、え・・・実はそうだったの!?

もはやシナリオを読むなど監督の作品では不可能ですね。
物語の前半から最後の最後でまさかこんなところに
着地するとは思いもよりませんでした・・・。

本作、一応シリアスドラマというくくりではありますが
結構な隠し玉があったりするのでサスペンスでもあります。

前半ではアーマドとマリー夫婦のことに焦点を当てていますが
後半はサミールと彼の妻のエピソードに。
(サミールもまだ離婚していないのです)

05


こちらの夫婦にもある大きな問題があり、その真実が
2組の夫婦に大きな影響を与えていくのです。


また物語で大きなポイントとなるマリーという女性像。

06


オンナの部分が非常に強いいわゆる恋愛体質。
母親よりも女性の部分を優先し、子供の意見などは後回し。
リュシーからすると3人も父親が変わっているらしく
(アーマドの実子ではなかったんですね・・・??)
現在サミールとの子供を妊娠中というオマケつき。

ならば、か弱い感じなのかというと決してそうではなく
気性が荒く我が強いタイプ。

彼女なりに自分の子供を愛してはいるのでしょうが
“間違っている”ことには気づいていません。
なのでそのことをアーマドに咎められると怒り狂います。
彼女が大声を張り上げるシーンは非常に多く辟易・・・。

また常にけだるそうで誰といても幸せそうじゃないんですよね、彼女。
妊娠中にも関わらずストレスでタバコ吸いまくりなんです(怒)。

そんな母親の影響なのかリュシーも常に暗い表情で
とてもティーンエージャーには見えず(-ω-)
何か憑き物が憑いてる顔ですよアレ・・・(泣)。


正直アーマドやサミールなど、
一体マリーの何がそんなにいいの(笑)??と。

男性陣は冷静で理解力もあっていいヤツなんですが
女性陣があまりにもひどい(笑)という対比もちょっと面白いです。
しかしサミール、元妻にしかり女見る目がなさすぎなんじゃ・・・。

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そもそもマリーとサミールとの関係は“愛情”ではなかったのでしょう。
マリーからしたらそのときにすがりたかったのがたまたまサミールで、
サミールは彼の妻もたいがいの女性だったようですし(苦笑)、
そんな生活の中で出会ったマリーは新鮮だったのかもしれません。

一見2人の男性から想われていたように思えたマリーですが
結局どちらも彼女から離れていくという皮肉・・・。

こういう女性って誰と付き合っても結局上手くいかないのでしょうね。
あるイミ不器用で、永遠に真実の愛を掴むことはできないように思えます。


その陰で被害者になるのがやはり子供-。

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マリーが、自身が不倫をしておきながらそのことを棚に上げ
リュシーに食って掛かるシーンはちょっとゾっとしました。

それでもリュシーが母親のことを愛しているシーンが
垣間見えたりもして、これまた切なくなります。
こんな母親でもリュシーは昔から母親が好きだったんでしょうね。
子供にとっては母親が全てで、自分のことも見て欲しいという
ただそれだけでしてしまったこと-。


サミールの息子役の演技がこれまた上手くて何度も涙しました・・・。
子供って直球だから痛いところを見事についてきますよね。
決して悪気があるわけではないのでその素直さがズシンと胸に響きます。

大人が揉めているところを何度も目撃し心を痛めているシーンは
『・・・なぜ大人は皆ケンカするの?仲よくなれないの?』
まさにそんな表情でした。


物語は終始不穏なムード全開で常に何か起こりそうな予感。
正直明るいシーンはないに等しいです。
それでも離婚が多い現代でこの作品から学ぶことは
非常に多そうです。


ちなみに一緒に観に行ったダンナも大満足だったらしく
4、5点だと言っておりました。
やはりマリーには相当腹が立ったようで気持ち悪いとまで
言ってましたが・・・(-ω-)


09


もはや良い作品を作りそうなオーラしか漂わないファルハディ監督(-ω-)



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