« 【LOOPER/ルーパー】~SFアクション~ | トップページ | 【世界にひとつのプレイブック】~ヒューマンコメディ~ »

【愛、アムール】~ヒューマンドラマ~


★★★★☆(4、5)

01

diamond製作年度 : 2012
diamond製作国 : フランス/ドイツ/オーストリア
diamond監督 : ミヒャエル・ハネケ
diamondキャスト : ジャン=ルイ・トランティニャン、エマニュエル・リヴァ
diamond解説
第65回カンヌ国際映画祭で、最高賞にあたるパルムドールに
輝いたヒューマン・ドラマ。
長年にわたって連れ添ってきた老夫婦が、妻の病を発端に次々と
押し寄せる試練に向き合い、その果てにある決断をする姿を映し出す。
『ファニーゲーム』『白いリボン』の鬼才ミヒャエル・ハネケが、
沈痛かつ重厚なタッチで追い詰められた老夫婦が見いだす
究極の愛を浮き上がらせていく。
(シネマトゥデイより)


diamondレビューはこちら。

:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*+

diamond重いテーマながら、気高く静かに描かれる夫婦の愛の物語。
 (ネタバレあり)



アカデミー賞では外国語映画賞を受賞し、さらにはパルム・ドールや
ゴールデン・グローブ賞など数々の賞を受賞したミヒャエル・ハネケ監督作。
またエマニュエル・リヴァは史上最高齢で主演女優にノミネート。
ハネケ監督は好きな監督の1人なので私もとても楽しみにしていました。

本作では老夫婦の愛を描いたということで彼にしては
珍しくクセのない感動作の予感も。
しかしとても『ファニーゲーム』を作った人と同一人物とは思えない
彼の才能には改めて脱帽です。
なんとなく、もうこういう作品は作らないんでしょうかね。


2人で暮らすには広すぎるアパルトマンで長年連れ添う80代の老夫婦。
ある日何の前触れもなく、アンヌに発作が起き半身不随に。
次第に症状は悪化し、彼女自身、自分のことが分からないまでに・・・。

02


いわゆる老老介護を描いたお話で私も実は少し腰が重かったのですが、
冒頭から驚きました・・・。
見始めてしまうと一気に引き込まれ、次が気になって仕方がないのです。

肝心なところはわざと避けるように、またあえてサラっと場面転換する
ハネケの手法は、重苦しさをそこまで感じさせないものとなっています。

BGMなどむしろ不要なほどの静かな物語に、重厚で気品漂うムード。
部屋の中に据えられた一点しか映さない沈黙のカメラワーク。
全編に渡り沈黙がスパイスになっており、あまりにも突然訪れた危機に
直面する夫の苦悩、妻の苦悩がここに恐ろしいほどに込められています。

台詞やBGMが邪魔に思えてしまうほどの映像から漂う威圧感は
やはりスゴいです。

05


そして見ている最中よりも観終わったあとからが何かの始まりであるかのように
余韻が押し寄せ、自分でも何の感情か分からないような涙が溢れました。
ただ切ないとも悲しいとも違う、でもこみ上げてくる涙・・・。

冒頭で映し出されるアンヌの姿から筋書きは大体想像がつくものの
それでもやはり・・・やはりそうなるんだな、という。

そうせざるを得なかった、むしろ彼女が望んでいたのかもしれない結末-。
以前は音楽教師をしており華やかな世界で生活をしていた彼女からすると、
人に介護されるなどその屈辱は測り知れないものがあったでしょう。

06


ラストでジョルジュが見た夢の中とも思えるシーンはとても良かったです。
きっと、アンヌが彼を素晴らしい世界へと導いてくれたのでしょうね。


誰にでも確実に訪れる老いと、介護という社会問題-。
本作でポイントとなっているのは夫婦には娘や孫もいるという点。

03


娘は定期的に訪れ母親のことを心配しているようにも見えるのですが
どこか他人ごとのようでもあり、母をこのままにしておいて良いのかと
ジョルジュに口出しはする。
ならば母親を預かり面倒を看るのかといえば、その決断は下せない-。
孫にいたっては1度も物語に登場しません。

まるで子供や孫がいるとは思えないような2人の結末に
より一層考えさせられます・・・。
むしろご近所さんのほうが夫婦のことを気にかけており
友好的な関係を築いているという皮肉。

もはや子供がいれば大丈夫、とは言えない時代なのでしょうか。
子供や孫に看取られながら逝くというのがこうも難しいことなのか-。

日本でも老老介護は社会問題になっており、介護疲れによるお年寄りの
悲痛な事件も耳にしますが、やはり世界的な問題なのですね。


そしてもう1つ、2度ほど“鳩”が出てくるシーンがあります。
たまたま家に入ってきた鳩を1度はすぐに追い出すジョルジュですが
2度目は捕まえます。
しかし結局その後、逃がしたと・・・。
ここはなんとなく、介護に疲れた自分を解き放つかのように感じました。


最高齢で主演女優にノミネートされたエマニュエル・エヴァの
演技は凄かったです。
カワいらしくそれでいて気品もあるアンヌという女性にはピッタリでした。
この役を演じるにあたりかなりの覚悟があったのではないでしょうか-。

古くは『ヒロシマモナムール』という作品で日本人俳優と共演し
日本でも知られるようになった女優さんだそうで、
当時彼女が捉えたヒロシマの様子が写真集にもなり、
日本でも展覧会が開かれたのだとか。

ジョルジュを演じたジャン=ルイ・トランティニャンという俳優さんも
人間味溢れる演技がとても良かったです。
・・・と、プロフィールを調べて驚いたのですが彼、ブリジット・バルドーと
同棲していた過去があるのですね!?
また『男と女』の主人公の俳優さんだったとは!
実は以前借りて途中まで見て止めてしまったのでやっぱまた借りよかな・・・。


自身の親がそうなったとき-。
または自分に、パートナーに訪れるかもしれないそのとき-。

誰しもが少なからず人生観を変えられるだろう物語がここにはあります。
見るタイミングを選ぶ作品だとは思いますが、ぜひ多くの方に
見ていただきたい作品です。



cuteクリックでランキングに反映されます。
↓よろしかったらお願いします(-ω-)shine

ブログランキング・にほんブログ村へ


:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*+:;;;:+*+

08
(撮影シーンを見るとジョルジュ役はハネケでもいけそうな予感・・・)

02_2
(なんだかとても微笑ましい3ショット・・・(-ω-。))

|

« 【LOOPER/ルーパー】~SFアクション~ | トップページ | 【世界にひとつのプレイブック】~ヒューマンコメディ~ »

【ドラマ(シリアス)】」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 【LOOPER/ルーパー】~SFアクション~ | トップページ | 【世界にひとつのプレイブック】~ヒューマンコメディ~ »